2018.07

私立長野県松本深志高等学校の文化祭・「第71回とんぼ祭」にお招きいただき、
講演をさせていただきました。

松本深志高校は、今年で創立142周年を迎える県内最古の歴史と伝統を持つ学校です。

また県内屈指の公立進学校でもあるそうですが、今回はそちらの図書委員会からお招きいただき、
同委員会主宰の「一般公開ゼミ」でお話させていただきました。

拙著『おいしく世界史』をお読みくださり、温かく迎えてくださった生徒の皆さん、
先生方、本当にどうもありがとうございました。

講演概要

松本深志高校

「境界」を超えて ~ ひと皿の料理から広がる世界

私たちが毎日口にしている、食材や料理。
実はそこには、それが生まれた土地の歴史と風景がギッシリと詰め込まれています。

昨年刊行された拙著『おいしく世界史』では、そうしたいくつかの食べものを取り上げ、
その背景に隠されたヨーロッパの人々の想いと四季の移り変わりの様子を描きました。

今回の講演では、さらに「境界」という言葉をひとつのキーワードとして、
ヨーロッパの食文化についてお話しできたらと思います。

国境に代表される地理的な「境界」、過去と現在を隔てる時空的な「境界」、
そして、民族や宗教、国籍や人種に関わる、あるいは私たち個々人の先入観や偏見、
思い込みといった精神的な「境界」―― 。

「食」は、これらの「境界」について改めて考える入り口にもなるものです。
現代における「境界」の意味や、それを超えることの可能性について、
皆さんと考えていけたらと思います。